第13回国際洞窟学会議

Speleo Brazil 2001 参加記


7月12日
 朝起きる前に何度か寝返りの際に足の痛みで目が覚めてしまう。朝食に降りるときも足を引きずるが一応歩けそうなので巡検に行くことにする。いつものように小屋へ行き10時前に出発する。小屋から300mほど歩くとジャネイロ・ケイブの上流側の洞口に着く。ここの入口近くの壁にも壁画がある。このジャネイロ・シェルターがこの地域の壁画では最も新しいとのことだ。

 ジャネイロ・ケイブは非常にフラットで高低差がない。天井までは80m近く、幅も40m以上と非常に大きな空間が地下河川に沿って3kmに渡って続く。この洞窟が、この地域で最も大きな洞窟である。初日に見たドリーネを含め大きなカルスト・ウィンドウが天井に3つあり、小さな物が5個ある。これらのおかげで、半分以上はライトが不用である。川は随所でプール状になっていて、静水面に外の景色が良く写りすばらしい風景が続く。雨季に滝になるという場所が洞窟の壁にある。滝の高さは20~30mぐらいであろうか。そこの下へ行くとTufaによるリムプール等が生成していた。これらのカルスト・ウィンドウの最後、初日に見たドリーネの手前で昼飯を食べる。

 食事の後は暗い洞窟へ入った。久しぶりにライトを使用した気がする。途中にはとても白い大きな二次生成物等があった。けれども、カメラのストロボ接点の故障により、こうした細かな二次生成物の撮影がほとんどできなかった。
この洞窟には多くのケイブパールなどがあり、美しい。このケイブパールなど美しい場所が汚れないように、人が通過するルートが、落ちている岩などを利用して歩くルートが決められていた。
この穴に限らず、立ち入りを制限している洞窟は数多い。日本ではあまり見られないことであり、洞窟保護に関して考えさせられた。

 洞窟を出ると、やや広い谷になる。水流に浴って100mも下った所で右手側・左岸から川が合流する。その堤所からでは見えないが、別の洞窟からの水のようである。さらに川を下ってから左岸を急登する。100mほど登った所に洞窟があるが、このあたりで蜂に襲われ一人刺された。この洞窟は10mもない貫通洞である。洞窟を出てさらに100m登り、200~300m降りると、毎日車で通る道の途中に出て、車にピックアップされた。
 タ食は20時だがその少し前に別のバーでパイナップルジュースを飲んだ。バーでは地元の若い女性達がポルトガル語で”Kiss Me”という意味の書かれた唇柄の派手なTシャツを売りに来たので私もみやげ用に買う。このTシャツを着ている日本人ケイバーに会ったらキスしてあげましょう。ディナーはいつもの川辺の店であった。
タ食の後、ホテルでマーデンが持ってきたクロアチアのスライド上映が行われた。季節によって50mも洞口の水位が変わる穴や1300mの深さの穴など、なかなかおもしろそうであった。この時、オーストラリアのカンタス夫妻とウィリアム氏は皆にウィスキーを振舞っていた。日本酒か焼酎を持って来ればよかったと少し後悔した。でも、ウィスキーはおいしかった。

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