第13回国際洞窟学会議

Speleo Brazil 2001 参加記


7月18日
朝6時半にホテルにバスが来ると言うので、朝6時半からの朝食が食べられず、前夜に買ったパンを食べる。しかし6時40分になってもバスが来ないし、何故か2台のバスに素通りされたので歩いて行くことにし、7時前に会場に着いた。
私はBraco Das Ararasと言う洞窟に申し込んだ。別の洞窟の方がアクティブなケイバーには人気があるとのことだったが、50m以上泳ぐ必要のあるとのことで泳ぎの苦手な私は避けていた。しかし、朝見ると多くのライフジャケットが用意されていた。最初から募集要項に書いておいて欲しいものだ。出発まで時間があり1時間以上バスの中で待たされる。皆雑談しているが、プエルトリコ人の集団が、大音声で爆笑しており、仮眠したくてもできず、うとうととすごす。
バスは途中ガソリンスタンドに寄ったあと、目的地へ向う。片道2時間弱の距離であるが、最後の10キロ弱はダートを走る。バスは洞口まで100mぐらいのところまで入った。

 バスを降り準備をするが、まともにつなぎを着ているのは私の他は案内の現地ケイバーのみで、他の人は普段着のままだ。参加者は中米から南米の人が多く暖かな地域でのケイビングだからだろう。洞口は直径100m強、深さ50m以上の陥没穴である。
 周囲は見渡すばかりの平原で、その中に忽然と穴がある。下に降りるにはロープを用いて懸垂下降するか、急な斜面を伝って降りるかである。
 Divers Univercityのロゴの入ったお揃いの綿つなぎを着ている人々が案内人である。彼らの一部はSRTで既に降りていた。案内を兼ねつつ、彼ら自身の訓練もしているようだ。我々はドリーネの縁をフリ一で降りた。ガイドロープやラダーが設置してあったが、そのようなものは無くても問題ない。ただし、参加者の多くはアクティブケイバーで無かったようで、彼らは多いに時間を費やした。

 洞窟の底は湿度が高いためか洞外の平原よりも密な植生がある。洞窟は相対する2方向に伸び、いずれも幅100m弱、高さ50m、奥行き200m強と言う大きさである。片方は登りでもうー方が下りである。下った方の最後には小さな洞窟がある。

上:洞口ホール
下:上の写真の中央付近を拡大したもの

この表現は不思議であろうが、一番奥でも充分明るいので洞内と言う感じがしないためだ。その洞窟の奥へ30mも日本的なケイビングをするとブルーに染まったプールが現れる。着いてみると皆、すでに下着一枚で泳ぎ始めている。とりあえず写真を撮っていたが、あまりにも奇麗な水なので私も泳がずにはいられず、一泳ぎしてしまった。

帰り道にはランチを食べに寄る。オン・シーズンには乗馬できるような場所で池やプール、ウォータースライダーまでもあった。決して水泳に適した温度ではないのに、水着で遊んでいる人がいたのには驚いた。
この夜はブラジリアン・パーティがあるので、19時半のバスをホテルで待つがなかなか来ない。20時にスペレオ・ブラジルマークの入ったバスが来たので皆で喜び勇んで寄って行くと、どこかのエクスカーション帰りのバスで落胆した。結局20時半のバスで、ブラジリアの湖岸のレストランに連れて行かれた。パーティは既に始まっていたので、とりあえずカイピリーニャを飲み始めた。パ一ティは生演奏があり、前方では何組か踊っていた。ふとみると小林さんがレバノンのファディと腰に手を回しつつ楽しそうに踊っていた。しかし、服を洗濯してしまったからといって、ケイビングスーツの下に着るワンピースフリースでパーティに来るとは、さすがである。この夜はやや飲み過ぎたので、お開きになる前に帰ると、倒れるように寝てしまった。


7月19日
昨夜の影響もあり9時半に会場へ行く。スペル・メディアを数作品見る。出品された作品は、洞窟遠征調査の記録ビデオや、子供たちに洞窟を教えるビデオが多かった。子供向けのものは、さすがに興味を引くように面白い映像が多い。調査記録ビデオは美しい映像や興味深い地形などが映し出され、なかなか興味深い。全ての作品を見た後、投票する。スペル・メディアは観客の投票によって、賞を決めるのだ。
13時半頃にフランスのブースヘ行くと、次回の国際洞窟学会議に立候補したPau2005の招聘のために、皆に酒をふるまっていたので、マティーニを頂く。
午後、会場には明日のジムカーナのためのロープの設置作業が行われていた。スロープチロリアンブリッジなどが張られていたので、スペレオ・オリンピックが行われるのだろう。
この日、Efrain marcado氏に会う。UISの救助委員会の人でラテン・アメリカ地域のコーディネイターでもある。救助に関することで判らないことがあればメールで質問してくれと言う。何故かEfrainは私の住所もアドレスも知っていた。名刺を交換してみると、見たことのあるアドレスで、数年前に少しだけ電子メールの交換をしていたことを思い出した。
タ方にはJICA職員の渡邊さんに会った。ブラジルの洞窟の保護管理をしているCECAVで環境関連の仕事をしているそうだ。UISに出展しているので様子を見にきたそうだが、日本人がいるとは思っていなかったようだ。
夜9時からはスペル・メディアのクロージング・セレモニーがあり賞の発表と大賞作品の上映があった。イタリアのTúlio Bernabeiという人の作品でフィリピィン南西の島での遠征記録である。

洞窟測量図コンテスト
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